わしの日記
2025/08/22 (金)
読書
自主独立とは何か【戦後史の解放Ⅱ】(前編・後編) 細谷雄一
図書館で話題の本をリクエストしてもさっぱり順番が回ってこない。
かと思えば、『自治労の正体』のように、何週間か待った末、急に自宅に丁寧に電話してきて「この本は取り扱えません」と謝ってきたものもある。なるほど、図書館と言えど、地方自治体の一部もしくはその予算で動くわけだから、自分たちを断罪する本は入荷できないということかも知れん。
一方、さほど興味はないが、とりあえずマークしておいたら、途端に準備できてしまう本もある。標記がその一つである。
著者には申訳ないのだが、あまり興味がなかったので、まだ前編の途中ぐらいである。
"第3章 新しい「国のかたち」 3 幣原喜重郎の戦後"のあたりを読むと……
大日本帝国憲法にこだわり、連合国の意向(著者の本文の表記だと「国際政治」の「潮流」)を無視した学者のせいで、
日本人による自主憲法草案提出がならず、マッカーサー案になった
……と、言わんばかりである。読解不足・誤解でしたら申訳ない。で、上記の通りなら、あまり感心しない。
本文で引用している学者の名前も、気になったものはamazonをみたりTwitterを斜め検索したりしたが、うすらサヨクっぽいのが多い感じである。名前は書かない。
念のため、上記の、大日本帝国憲法を守ろうとした学者の代表として挙げられているのは、憲法問題調査委員会の二人で、松本烝治、宮沢俊義である。
宮沢という学者はなんか見覚えあると思ったら、護憲派で高名な方だ。戦後間もなくの頃は、そうだったんだ。知らんかった。
後年、護憲を掲げるようになり、それに先立つ1946年半ば、八月革命説を唱えた。八月革命説はむしろ、GHQの圧力に屈した自分たちを正当化するために出したものではないか、と本書の著者は痛烈である。
なるほど、そうは書いてないが「この風見鶏め」と言わんばかりの、その批判の気持ちは、確かにうっすら、共感できた。
宮沢と言う学者については、よくもまあ恥ずかしげもなく、アレだけ護憲の論陣を張れたもんだ、という軽蔑の念がわしにあるので、そういう、低レベルの個人感情においては、共感を覚える。
ただ「八月革命説」という発想は、むしろ、大日本帝国憲法にこだわった過去の姿勢と、変わらず一貫しているとも、わしには思えるのだが、どうだろう?
だって、大日本帝国憲法の手続きに則らず、GHQに事実上"強制"されてしまい、超法規的に作られた日本国憲法の"正当性"は、正しく法理論で位置付けることは不可能でしょう?
いくら理論を並べたって、有るんだから、理論家としては、困っちゃうでしょう?
だから、ひとこと、実はアレは、
「革命でした」
(シカでした、の声で)
……ということにしよう、と。こういう発想は、わしは、ちっともおかしくないと思う。
むしろ、いまの日本国憲法の存在理由を正しく説明する、唯一の説明ではないかな?
こんなことに「困っちゃう」のは法律家・政治家であって、国民感情としては、「ンなこたぁ知ってらァ」なんだが。
昭和30年代、せめてぎりぎり40年代に、この論法で、3分の2の発議なんぞ待たずに、日本国憲法なんか停止して改憲してしまえば良かったのにねぇ。
マッカーサーも、日本人はきっとそうすると信じていたって、本書にも記述があった。
それを何もやらないまま80年放置しちまったから、今さらやりにくいよな。
さて、それ以外に、本筋とあまり関係ないのだが、本文でちょっと気になったところがあって、ChatGPTに尋ねた。
実はその件、結局明快な答えが得られなかったのだが……そういえば、いま中国人が熱狂しているらしい南京の歴史改変SF映画もあるなと思い、つい、引き合いに南京と、通州事件のことを挙げたら、結構おもしろい答えが返ってきたので、記録してみた。
※ChatGPT返答内容のうち、表形式の部分が崩れてしまっているのはご容赦を。
読みにくい箇所は飛ばして、わし(User)の質問と、それに対するChatGPTの返答の最初の数行を追うだけでも、
「へー、ChatGPT、けっこう、思ったより話せるじゃん」
と感じられるのではないでしょうか。
※明らかな誤字・脱字もそのままです。「門灯」とは「問答」と書きたかったですね。他は文脈で類推できると思います。